腎生理の基礎知識
第27回 生体と腎でのK代謝(2) 腎におけるK輸送:1.Kチャネルの構造と機能
掲載誌
Nephrology Frontier
Vol.13 No.1 68-75,
2014
著者名
関根孝司
記事体裁
抄録
疾患領域
循環器
/
腎臓
/
神経疾患
診療科目
一般内科
/
循環器内科
/
腎臓内科
/
泌尿器科
/
神経内科
/
老年科
/
小児科
媒体
Nephrology Frontier
「はじめに」前回の連載では, K+の生体内分布(細胞内液および外液の分布)およびK+の細胞内外の移動について述べた. 生体内に存在するK+はその大半が細胞内液に存在し(成人でのK+総量: 3,000~3,500mEq, 細胞内K+濃度: 140~150mEq/L), 細胞外には総量としてたかだか70~90mEq程度(血清K+濃度: 4mEq/L)しか存在しない. 経口的に摂取されて細胞外に流入したK+(100mEq/日)は一時的に細胞内に流入し, 細胞外K+濃度の急速な上昇を防ぐ. しかし, 生体内に入ったK+は生体外に排泄されなければ, K+の生体での平衡は維持できない. K+の生体外への排泄は約90%が腎臓から, 残りの10%が消化管からなされる. 「調節されたK+排泄」は腎臓でしか行えない. このように, K+の生体内調節は腎臓が行っていると言える. 本稿ではまず, 腎臓でのK+輸送の概略について記す.
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。