「SUMMARY」CKDの食事療法における適正なエネルギー量は, 肥満度, 日常生活活動レベルにより25~35kcal/標準体重kg/日を目安に設定する. 肥満, メタボリックシンドロームはCKDの発症・進展および末期腎不全への進行のリスクであるため, BMI<25を目標に適切なエネルギー制限を行う. 一方, CKDステージ4以降, また, たんぱく質制限食中は, 栄養不良に陥るリスクがあることから十分なエネルギー摂取を要する. エネルギー摂取量は, 体重変化, 栄養状態の変化を経時的に観察・評価し調整することが重要である. 「I はじめに」慢性腎臓病(CKD)患者に対する食事療法では, エネルギー量, たんぱく質制限, 食塩制限を個々のCKDの原因疾患およびCKDステージ(GFR, アルブミン/尿蛋白ステージ)に応じて設定することが必要である. 本稿では, 適正体重の維持の観点から, 肥満およびメタボリックシンドロームとCKD, さらに蛋白-エネルギー栄養不良(protein-energy malnutrition: PEM)とCKDとの関連を考慮に入れた至適エネルギー量の設定の仕方に関して概説したい.
特集 CKDにおける食事療法~古くて新しい問題~
適正エネルギーの考え方
About the Appropriate Energy
掲載誌
Nephrology Frontier
Vol.13 No.1 30-34,
2014
著者名
北田宗弘
/
古家大祐
記事体裁
抄録
疾患領域
代謝・内分泌
/
腎臓
/
栄養管理
診療科目
一般内科
/
腎臓内科
/
糖尿病・代謝・内分泌科
/
泌尿器科
/
老年科
/
小児科
媒体
Nephrology Frontier
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。