特集 CKDにおける食事療法~古くて新しい問題~
たんぱく質摂取とCKDの進行~実臨床とエビデンスの狭間で~
Protein Intake and CKD Progression
Nephrology Frontier Vol.13 No.1, 24-28, 2014
「SUMMARY」慢性腎臓病に対する食事療法に関して, これまでRCTを含めた数多くの研究が行われてきたが, 依然として議論が多い領域となっている. これは, どの研究も様々な手法上の問題点によって, 明らかなバイアスが存在していることが原因となっている. 本稿は, 過去の歴史や研究に内在する問題を明らかにすることで, 今後の食事療法の良質な臨床研究を促し, さらなる発展に繋がることを期待するものである. 「I はじめに」食事や運動など, 生活習慣を対象とした臨床研究は, その実施も解釈も非常に難しい. このため, 好ましい結果を積極的に取り入れようとする肯定派と, 否定的なデータを含めて総合的に判断しようとする慎重派の間で, 終わりのない議論が続いているケースが多い. 慢性腎臓病(CKD)における食事療法も, そのようなテーマの1つである. しかし, どれだけ薬物療法が進んだとしても, 慢性代謝疾患であるCKDにおいて, 食事療法が非常に重要であることに変わりはない.
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。