腎生理の基礎知識
第24回 糸球体における蛋白濾過障壁機能(2)糸球体上皮細胞
掲載誌
Nephrology Frontier
Vol.12 No.1 90-96,
2013
著者名
関根孝司
記事体裁
抄録
疾患領域
腎臓
診療科目
腎臓内科
/
泌尿器科
/
小児科
媒体
Nephrology Frontier
「はじめに」糸球体毛細血管は多量の血漿を濾過するとともに蛋白濾過障壁を形成している. 前回の連載で, 蛋白濾過障壁としては, (1)糸球体上皮細胞, (2)糸球体基底膜, (3)内皮細胞の3つの要素が存在することを記した. 今回の連載では, 上記の蛋白濾過障壁の構成要素のうち, 最も重要な役割を果たしていると考えられている「糸球体上皮細胞〔タコ足細胞;podocyte(ポドサイト)〕およびスリット膜」について, その構造, 機能, 分子生物学的な知見を記す. 「糸球体上皮細胞の構造(ポドサイトとスリット膜)」[1. 糸球体毛細血管の構造と特性] 図1に糸球体上皮細胞(以下, ポドサイト)の構造を示す. ポドサイトは, 糸球体毛細血管をボーマン嚢腔側(外側)より覆う高度に分化した上皮細胞であり, その特殊な構造からタコ足細胞とも呼ばれる. 図1Bは, ポドサイトをボーマン嚢腔側から見た電子顕微鏡像である.
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。