【特集 腎アミロイドーシスの新展開】
腎アミロイドーシスの病理組織所見と診断上の問題点
掲載誌
Nephrology Frontier
Vol.12 No.1 30-36,
2013
著者名
坂本和雄
/
長田道夫
記事体裁
抄録
疾患領域
腎臓
/
血液
診療科目
腎臓内科
/
泌尿器科
/
血液内科
媒体
Nephrology Frontier
「SUMMARY」アミロイドの確定診断は病理組織学的所見により確定診断がなされる. また, アミロイドの病型診断においても病理学的なアプローチは必須のものとなっている. 病理学的検査の意義を深く理解し, そしてその正しい評価方法を知ることは臨床医にとって不可欠なことである. 本稿では, 基本的な病理組織学所見, 病理学的検査を行う良好な条件, また新しい病型診断手法である質量分析法との比較について述べる. 「I はじめに」アミロイドーシスは, アミロイドと呼ばれる線維構造を持つ異常蛋白が, 全身性または限局性に臓器に沈着することによって機能障害を引き起こす一連の疾患群である. アミロイドとしては一般にAA, ALアミロイドが知られているが, 構成する前駆体蛋白により分類され, 現在では27種類が同定されている1)(表1). 我が国では全身性アミロイドーシスの生検の結果, AAとALを合わせたアミロイドーシスの占める割合が約88%という報告がある2).
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。