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腎生理の基礎知識

第23回 糸球体における蛋白濾過障壁機能(1)総論

関根孝司

Nephrology Frontier Vol.11 No.4, 64-70, 2012

「はじめに」前回までの数回の連載で, 糸球体濾過量の調節機序について述べた. 傍装置糸球体を中心とした体液量のfeedbackシステム, 神経系の調節などにより, 約180L/日の血漿濾過が糸球体により行われ, 再吸収機能とともに体液量が一定に保たれるようシステム化されている. 糸球体濾過は血漿の限外濾過とともに, アルブミン以上の分子量を持つ「大分子(蛋白)濾過障壁」という重要な機能も担っている. この機能の破綻が蛋白尿であり, ヒトでの病態はネフローゼ症候群である. ネフローゼ症候群の病態の解明には, 「蛋白濾過障壁」という機能の生理的な理解が必須であるが, この問題については多くの研究がなされているにもかかわらず, いまだ完全な理解に至っていない. 今回から数回の連載によって, 糸球体の蛋白濾過障壁の最新の情報について記す. 今回は, 糸球体における蛋白濾過障壁の生理学的実体とその役割がどのように論じられてきたのかについて, 歴史的経緯を交えて概説する.

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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