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腎研究最前線―Up Date Nephrology

臨床研究「4つの誤解」

福間真悟木戸亮栗田宜明福原俊一

Nephrology Frontier Vol.10 No.4, 90-93, 2011

はじめに
 この総説は,全4回にわたって,臨床研究のデザインと解析の基礎を読者の皆様にわかりやすく解説することを目的としている.
 まず第1回目は,臨床研究に関する誤解は数多くあるが,そのなかでも最も典型的で,しかも正しく理解して頂きたい4つの点について解説する.
 第2回は,臨床医の方々が毎日の診療のなかで感じられる貴重な疑問を,臨床研究のまな板に載せるために必要な最初のステップについて解説する.
 第3回と第4回は,臨床研究特に腎臓透析領域の例を用いて,臨床研究デザインや解析における基本的で重要な事項あるいは陥りやすいピットフォールなどについて解説をする予定である.

KEY WORDS
臨床研究の種類,臨床研究の型,臨床研究デザイン,解析結果の解釈

誤解その1「臨床研究とは臨床試験である?」

 臨床研究と言われて,製薬企業や研究者主導による臨床試験をイメージする人が多くないだろうか.通常の臨床試験では,厳密な参入基準を満たした対象患者に対し,研究者が意図的に薬剤など治療の介入を行い,有効性,安全性,経済性を評価する.臨床試験では,大きな研究組織や莫大な費用を必要とするため,敷居の高いものに感じることがあるかもしれない.しかし,臨床試験は臨床研究のほんの一部であって,臨床研究が包含する領域は広大である1)2).
 本来,臨床研究とは,臨床家が診療現場で感じた疑問(クリニカル・クエスチョン)を解決するための手段である.このクリニカル・クエスチョンは,表1のように4つに分けて考えることができる.

 これら多様な臨床家の疑問に臨床試験だけで答えることはできない.我々は,分析的観察研究こそが,臨床現場で活躍している医療者が取り組むべき臨床研究ではないかと考える.分析的観察研究とは,研究者が意図的な介入を行わない観察研究であり,かつ比較群を持った研究のことを指す.一方,臨床試験は,介入研究の型で実施される.典型的な臨床研究の型の分類を表2に示す.

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