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尿細管の再生医学

尿細管再生の分子メカニズム

前嶋明人

Nephrology Frontier Vol.10, No.3, 28-32, 2011

SUMMARY
 近年,障害後の尿細管再生メカニズムが解明されつつある.そのプロセスを制御する増殖因子,発生調節因子,ケモカインなどが明らかになり,治療薬への応用が期待されている.一方,組織幹細胞の持つ性質やマーカーを利用して腎幹細胞様の細胞集団が同定され,再生過程で中心的な役割を果たすこともわかってきた.得られた知見を集約して臨床応用へ結び付けることができれば,腎再生医療も夢ではないだろう.

KEY WORDS
◆急性腎障害 ◆虚血・再灌流障害 ◆尿細管再生 ◆腎幹細胞 ◆再生医学

Ⅰ はじめに

 我が国における透析患者数は年々増加の一途を辿っており,それに伴い医療費は高騰し,医療経済への負担は増大傾向にある.この問題を克服するため,透析導入を遅らせるための新たな治療法の開発が望まれており,近年,他臓器と同様,再生医学あるいは幹細胞研究への期待が高まっている(図1).

これまでは急性腎不全後の回復過程を「尿細管再生」という現象としてとらえ,それに関与する因子の探索が活発に行われてきた.最近では,尿細管再生を担う細胞に注目が集まり,組織幹細胞の持つ性質やマーカーを利用して,様々な腎幹細胞様細胞が同定されている.骨髄細胞を用いた腎疾患に対する細胞治療の有効性も多数報告されており,「腎再生医学」は様々な角度から検討され,着実に進歩している(表1).

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