SUMMARY  酢酸ウラニウムによる軽度の近位尿細管S3セグメント障害では,障害を免れた成熟近位尿細管細胞が自己複製後に脱分化・増殖し局所修復にあたる.一方,急性腎不全を呈するような広範な障害では,バックアップ機構としてS3セグメント遠位領域の前駆様細胞が再生・修復に関与する.急性腎不全後の尿細管修復は創傷治癒の一形態と考えられるが,近年,尿細管細胞自体で発現して増殖に関与する因子も明らかになってきた.