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多発性囊胞腎における最近の研究と治療の進歩

多発性囊胞腎の基礎研究から期待される新たな治療戦略

西尾妙織

Nephrology Frontier Vol.10, No.2, 36-39, 2011

SUMMARY
 多発性嚢胞腎(PKD)の根本的治療はいまだなく,降圧治療,飲水の励行などの保存的治療が中心である.しかしながら近年,疾患モデルマウスの解析などから嚢胞形成機序の解析が進み,薬剤投与実験などから種々の薬剤が治療薬となり得る可能性が報告されてきている.
 今後更なる研究が進み,1日も早く臨床の場で活用できる薬剤が出てくることを期待する.

KEY WORDS
◆細胞増殖 ◆cAMP ◆mTOR ◆CFTR ◆PPAR-γ

Ⅰ はじめに

 嚢胞形成機序として様々な報告がされてきている.尿細管における繊毛(cilia)の機能の異常,尿細管の細胞分裂の方向が正常と異なる平面内細胞極性シグナルの異常,アポトーシスなどがあるが,特に細胞増殖の促進が重要であり,それにかかわる細胞伝達系が多数報告されている(図1)1).

これらの経路を阻害することが細胞増殖の抑制,すなわち嚢胞抑制に繋がる.PKD疾患モデルマウスにこの経路を阻害する薬剤を投与することにより,PKD患者の治療に繋がる可能性のある薬剤が出てきており,いくつかは臨床試験が行われてきている(表1)1).

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