SUMMARY
多発性嚢胞腎(ADPKD)患者は,腎臓において嚢胞形成が顕著になり腫大腎を呈するが,一方で嚢胞形成が肝臓にも起こり顕著になった場合には,多発性嚢胞肝(ADPLD)と称される.肝腎が著明に腫大すると,腹部膨満症状が強くなるばかりでなく,嚢胞出血や嚢胞感染を起こすこともある.症候性となると治療介入が必要になる.著明な腫大腎または腫大肝に対しては,腎動脈または肝動脈塞栓術(TAE)がsize reductionに有効であり,2011年4月までに当院にて約1,000例に対して施行された.TAEは,腫大腎に対しては極めて効果的であるが,腫大肝においては治療が嚢胞集蔟部位に限定されるため,腫大肝全体の縮小には至らず,治療効果という点においては課題が残されている.
全文記事
多発性囊胞腎における最近の研究と治療の進歩
多発性囊胞腎の腎囊胞・肝囊胞の塞栓療法
掲載誌
Nephrology Frontier
Vol.10 No.2 30-35,
2011
著者名
諏訪部達也
/
住田圭一
/
早見典子
/
乳原善文
記事体裁
特集
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全文記事
疾患領域
腎臓
/
泌尿器
診療科目
腎臓内科
/
泌尿器科
媒体
Nephrology Frontier
Key Words
多発性嚢胞腎(ADPKD)
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多発性嚢胞肝(ADPLD)
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腎動脈塞栓療法(TAE)
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肝動脈塞栓療法(TAE)
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。