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Cutting Edge

慢性好酸球性副鼻腔炎における線維化誘導─病原性ヘルパーT細胞による組織線維化誘導機構

平原潔森本侑樹中山俊憲

鼻アレルギーフロンティア Vol.19 No.1, 20-22, 2019

ヒトの好酸球性副鼻腔炎(eosinophilic chronic rhinosinusitis:ECRS)は,著明な好酸球浸潤を伴った鼻副鼻腔ポリープを呈する慢性上気道炎症性疾患である.副鼻腔内に形成される鼻ポリープは手術後の再発が多く,ステロイド内服によって軽快するもののステロイドの漸減によって再発することが知られている.
近年,われわれは,大量のインターロイキン5(interleukin-5:IL-5)を産生する病原性記憶Th2(pathogenic Th2:Tpath2)細胞が好酸球性炎症を誘導することを報告した1).実際われわれは,ヒト好酸球性副鼻腔炎の鼻ポリープ中に,著明な記憶型CD4 T細胞が浸潤していること,さらに,これらの記憶型CD4 T細胞が‟上皮性サイトカイン”であるIL-33やIL-25刺激に反応し,炎症性サイトカインの一種であるIL-5を多量に産生することを明らかにしてきた1)-4).これらの結果は,‟上皮性サイトカイン”で誘導されるIL-5産生-病原性記憶Tpath2細胞が,慢性好酸球性副鼻腔炎の病態形成に深く関与している可能性を示唆している.近年,米国の研究者グループから好酸球性胃腸障害やアトピー性皮膚炎,アレルギー疾患の患者においてIL-5を多量に産生する病原性記憶Tpath2細胞が増加していることが報告された5)6).好酸球性胃腸障害およびアトピー性皮膚炎の患者におけるIL-5高産生のTpath2細胞は,CRTH2陽性,CD161陽性,造血器型プロスタグランジンDシンターゼ(hematopoietic prostaglandin D synthase)陽性の細胞集団であり,同様の細胞集団が好酸球性副鼻腔炎をはじめとする他のアレルギー性疾患で増加している.
しかし,IL-5以外にどのような機能的分子が病態形成に関与しているかは不明であった.本稿では,われわれが最近新たに同定した組織修復因子のアンフィレグリンを特異的に産生し,組織線維化(図1)を誘導する線維化誘導-病原性Th2細胞と同細胞集団による好酸球性炎症での組織線維化の分子機構について概説する7)

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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