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統合失調症様症状をきたす脳神経疾患

精神症状をきたしやすい脳炎

Encephalitis, often associated with psychiatric symptoms

寺田整司黒田重利

Schizophrenia Frontier Vol.12 No.1, 38-43, 2011

要約
 脳炎を精神科診療で日常的に診ることは稀となった。ただ,精神症状で初発するウイルス脳炎はときにみられるため,精神科救急の観点からは今なお重要な疾患である。本稿では,本邦で報告された精神症状で初発したウイルス脳炎例を集めて,全体像を概観した。後半は,最も頻度の多い脳炎である単純ヘルペス脳炎(HSVE)を取りあげた。HSVEの症状,頭部MRI・脳波・髄液所見,診断,治療について検討した。特に診断については詳しく述べた。HSVEは,早期に治療開始するか否かが予後に直結する疾患であり,強く疑った場合には,診断確定を待たずに治療を開始することが肝要である。

Key words
脳炎,ウイルス脳炎,単純ヘルペス脳炎(HSVE),精神症状,PCR

はじめに

 精神科と神経内科とが分離した昨今の状況では,精神科領域において脳炎を日常的に扱うことはなくなったが,精神科救急医療の観点からは,依然として非常に重要な疾患である。本稿では,本邦で報告された精神症状で発症した脳炎例を概観し,その後,原因ウイルスとして最も多い単純ヘルペス脳炎(herpes simplex virus encephalitis;HSVE)について詳述する。他のウイルス脳炎に関しては,最近の総説を参照していただきたい1)2)。

1 精神症状で発症した脳炎

1.精神症状で発症したウイルス脳炎(脳症を含む)─近年の本邦報告例(表1)3)-18)

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