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【統合失調症の予後と展望―社会復帰をめざして】
統合失調症の早期介入・初期治療と予後
掲載誌
Schizophrenia Frontier
Vol.10 No.3 18-23,
2009
著者名
鈴木道雄
/
高橋努
/
田仲耕大
記事体裁
特集
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全文記事
疾患領域
精神疾患
診療科目
精神科
媒体
Schizophrenia Frontier
「要約」統合失調症においては, 精神病未治療期間(DUP)が長いと転帰が不良であるという多くの報告がある. 予後を改善するためには, 初回エピソードにおいて, より早期に適切な治療を開始することが重要である. また発症からの数年間は臨床症状や社会機能の悪化, 再発などが生じやすく, 長期予後を左右する治療臨界期と考えられ, より重点的な介入が求められる. 近年では, 精神病発症高リスク状態(ARMS), すなわち前駆期が疑われる状態に対する介入研究も行われているが, まだ未解明の課題が多い. 脳構造画像研究によって, 主として前駆期から初回エピソードに生じる進行性脳病態が示唆されており, 早期介入の重要性を支持するものである. またこれを, 長期予後改善のための治療標的として検討することも重要と考えられる. 「はじめに」近年, 統合失調症への早期介入が国際的に活発化し, わが国でも注目されている.
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。