Quality by Design(QbD)とは,設計による品質の作り込みを意図した,開発経緯の概念である。その手法は,製剤開発では一般的となるとともに,微生物・細胞等の培養により産生される蛋白質,ペプチドおよびそれらの誘導体などのバイオ医薬品の開発にも用いられており,それぞれ日欧米医薬品規制調和国際会議(ICH)の品質ガイドラインQ8(R2)とQ11に基づく1)-3)。
従来型の製剤開発がリスクマネジメントを含めて経験的な手法であったのに対し,QbDでは,立証された科学および品質リスクマネジメントに基づく体系的な管理戦略の実施による開発手法を実施することを要求している。このとき,QbDの体系的な開発手法とは,製品の品質が最終製品の試験を行うことで保証すればよいというものではなく,安定して目的の品質が達成できるように製造プロセスを設計(理解)し,適切に制御することで,製造によって安定的かつ均一に造り込めることを意味する。