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THE COMMENTARY

Quartz-Seq2:ヒト細胞アトラス時代の高精度1細胞RNAシーケンス法

二階堂愛

再生医療 Vol.19 No.2, 26-29, 2020

再生医療では,利用する細胞の有効性や安全性を示す必要がある。細胞の有効性や安全性を担保する方法の一つは,細胞機能が目的細胞とどのくらい似ているのかを示すことである。しかし,細胞機能は多岐にわたり,細胞種類によって確認すべき機能が異なる。特に複数の細胞が夾雑する不均一性を計測しようとすれば,細胞を一つずつ調べなければならない。
その方法として,1細胞RNAシーケンス法(scRNA-seq)が挙げられる。現在,この方法でヒトのあらゆる臓器に含まれるすべての細胞種を解析し,データベース化するヒト細胞アトラス計画(Human Cell Atlas;HCA)1)が進行している。ヒトの正常細胞のデータが蓄積されれば,再生医療で使う細胞を作製する際に,どのような細胞状態を目指せばよいのか指針となるだろう。
しかし,scRNA-seqは様々な種類がある。国際共同プロジェクトで各国が分担してデータを収集するには,それらの特性を定量的に理解しておく必要がある。そのためには,各国の開発者や開発企業が,全く同じサンプルを対象に,各手法で実験を実施し,全く同じデータを解析する手法で公平に比較する研究が必要である。本稿では,HCAで行われた1細胞RNA-seq法の性能比較研究について紹介する。

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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