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OPINION

再生医療の研究開発におけるオープン・イノベーション・プラットフォームの重要性について

Importance of Open Innovation Platform for R&D of Regenerative Medicine

鄭雄一

再生医療 Vol.18 No.2, 11, 2019

少子高齢化の進展により,「病気になったら病院に行けばよい」という,若者が高齢者を支える国民皆保険依存の従来の図式は,持続可能性がなくなってきている。寿命の延伸は,ともすると負の側面で捉えられがちだが,人類が長く求め続けてきた夢であり,ポジティブな側面も十分に評価されるべきで,それを踏まえた新たな将来ビジョンの設定が求められる。
少子高齢化を積極的に踏まえた将来ビジョンとして,我々のセンター・オブ・イノベーションでは「自分の健康は自分で守る」を設定した。この将来ビジョンにおいては,高齢者と若者を対立的二分論ではなく,連続的に捉え,生涯現役で「人生の階段をいつまでも健康で登る社会」を目指している。このような将来ビジョンを掲げたときに,将来の再生医療の研究開発も自ずとその方向性がみえてくる。既に病気が発生し,欠損や変形が生じた組織を治療する従来型の戦略はもちろん重要であるが,それ以上に,前兆のうちに組織や臓器の機能低下を未然に防ぎ,重症化を予防するような予防・未病に資する再生医療が求められるようになるだろう。将来を先取りして,そのような再生医療の研究開発が積極的に推進されるべきであると考える。

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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