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新しい医療と生命倫理の諸問題:日本再生医療学会の果たすべき役割

再生医療 Vol.16 No.3, 7, 2017

再生医療の臨床応用研究が進むなか,「遺伝子修復した臓器の再生」,「異種動物におけるヒト臓器の再生」などの研究も進み,遺伝性疾患への応用も模索されている。このようななか,第16 回日本再生医療学会総会では京都大学の八代嘉美先生とともに,「再生医療とゲノム編集」シンポジウムを企画・開催した。今後,両分野の融合から新しい医療が創出されることは間違いない。
2015年には中国の研究者から受精卵に対するゲノム編集に関する論文が発表され,各国でもゲノム編集の医療応用についての議論が活発化した。生殖細胞の遺伝子操作は世代を超えて伝わり,優生学や,疾患と無縁な機能強化等への展開も懸念される。日本でも内閣府の生命倫理専門調査会に,遺伝性疾患や生殖医療に関わる4学会が協力して,合同ゲノム編集研究委員会が設置され,ゲノム編集研究の審査体制について議論された。2016年には4学会から提言が発表され,その中で「人の生殖細胞や胚を用いたゲノム編集の基礎研究実施に関しては,今後慎重かつ速やかに指針等を検討すべき」であり,また臨床応用は禁止すべきと記された。今後ゲノム編集技術はES/iPS 細胞に応用され,生殖細胞への分化研究も進む。日本再生医療学会でも,生命倫理委員会で議論を重ね,4学会からの提言を支持する方向で提言を発出した。

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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