肝臓は,本来再生能力が非常に高い臓器として広く知られているが,ウイルス,薬物,アルコール,自己免疫などにより急性障害を受けたり,慢性的にB・C型肝炎ウイルス,アルコール,非アルコール性脂肪性肝炎(non-alcoholic steatohepatitis;NASH),自己免疫性肝炎,原発性胆汁性胆管炎などにより障害を受けると肝不全に陥る。慢性的に障害を受け肝に高度の線維化を来し,多くは肝萎縮を来す病態は肝硬変と呼ばれ,臨床上大きく以下の三つの点で問題になる。一つ目は,肝臓は様々な働きがあり,一般的には化学工場と例えられるが,その代表的な働きとして,蛋白,脂肪,糖などの代謝,解毒,凝固因子の産生,胆汁の産生などがあり,肝硬変ではこれらが十分に働かないために,むくみ,黄疸,血液中のアンモニア上昇や肝性脳症など,多岐にわたる症状を来すことが問題になる点である。
「KEY WORDS」間葉系幹細胞,細胞療法,肝硬変
「KEY WORDS」間葉系幹細胞,細胞療法,肝硬変