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THE COMMENTARY

我が国の再生医療関連法(早期承認制度)に関するNature誌の批評に関して

髙橋政代

再生医療 Vol.15 No.3,37-40, 2016

「はじめに」皆様ご存知の通り日本では2014年11月に再生医療の新しい法律が施行された。この世界で初めての再生医療に特化した法律の変化は海外からも大きな注目を集めており,様々な形で取り上げられている。Nature 系の雑誌では2013年5月にNature Medicine で“Japan to offer fast-track approval path for stem cell therapies”という記事がNEWSコーナーに掲載され,早くから注目されていたが,一方で効果のない治療が市場に溢れるのではないかという危惧を持って紹介されていた。そして,二つの法律が2013年11月20 日に国会を通過したことは,早速その週のNature/Seven days : 22-28 November 2013で取り上げられた。その他にも,様々な媒体で日本のこの法律は取り上げられ,多くの議論を呼んだ。筆者が参加した幹細胞や再生医療の国際的な学会,会議,シンポジウムなどでは必ずと言っていいほど日本の法律を議論するセッションが設けられていた。それらに出席するうちに,我々が再生医療の推進に画期的であると考えて作った法律が,世界では全く違う色で見られていることに気づかされた。これら海外での議論では,主には法律の危険性を危惧するものであり,患者保護の点から倫理的に問題のある法律と認識されている。確かに新しいシステムは運用によってはその危険をはらむものの,一方で日本の再生医療研究の状況や保険医療システム,そして法律の詳細を知らない上での議論でもあった。

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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