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THE COMMENTARY

免疫学の視点で再生医療を眺めてみる

河本宏一瀬大志増田喬子

再生医療 Vol.14 No.4, 46-51, 2015

「はじめに―再生医療と移植免疫学」再生医療業界は昨今は大いに活況を呈しているが,これはiPS細胞の登場に負うところが大きい。さてiPS細胞は「自分」の体細胞からつくられることが大きな利点であった。したがって巷では,再生医療は「自己の組織をiPS細胞化して再生する医療」と考えている人が多いと思われる。これは医学的には「自家移植」にあたる。しかし,実際には,iPS細胞を用いた再生医療は「自家移植」ではなく「他家移植」を軸に進められている。「他家移植」では移植片の拒絶反応がつきものなので,それを回避するための移植免疫学的な研究はとても重要なはずである。にもかかわらず,実際には再生医療の領域では移植免疫学的な研究はあまり盛んではないように思われる。再生医学関係者はあまり免疫学的なアプローチをとろうとしないし,免疫学者もあまりこの分野に参入してこないようである。

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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