Review(再生医療)
脊髄損傷の再生医療の開発
Development of Regenerative Medicine for Spinal Cord Injuries
再生医療 Vol.14 No.4, 11-21, 2015
「はじめに」中枢神経系は,古くより再生能力がない臓器の代表格と考えられてきた。しかしながら,近年の幹細胞研究や神経科学研究の進展により,この考え方には大きな修正が加えられるべきである1)2)。結論から言えば中枢神経系の再生には,①軸索の再生,②失われた細胞の補充,③失われた機能の回復が必須となる2)3)。イモリやトカゲのような下等脊椎動物では,中枢神経系が損傷されても,①~③のイベントが自発的に起きて,再生してしまうことが知られている。一方,我々人類のような高等哺乳動物では,下等脊椎動物で見られたような顕著な中枢神経系の再生能力がほとんど失われてしまっている。
「Keywords」脊髄損傷,iPS細胞,神経幹・前駆細胞,再生医療用iPS細胞ストック,臨床研究
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