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Opinion

再生医療の未来に向けて

清水達也

再生医療 Vol.14 No.4, 9, 2015

今秋,ヒト自己骨格筋由来細胞シート「ハートシート」(テルモ社)の製造販売が,条件及び期限付承認を得た。昨年の医薬品医療機器等法施行後,再生医療等製品として初めての承認となる。再生医療関連法規制の大改革がもたらした,極めて意義深い出来事といえよう。思えば,私が岡野光夫前理事長のもとで細胞シートの研究を開始したのが1999年夏,澤芳樹理事長に出会い,細胞シートを心不全治療に応用する共同研究が始まったのが翌年の秋である。その当時は,再生医療に対する世の中の関心も低く,専門家の間でも「細胞シートを移植して心機能が改善する」ということに関して懐疑的な意見も多い中,我々にとってはまさに未来に向けたチャレンジであった。その後,大阪大学諸先生方ならびにテルモ社による研究データの蓄積,再生医療学会を中心とした産学官連携の推進と法規制の整備により,2007年より臨床研究開始,2012年には治験が開始された。そして,今回の承認により細胞シートを用いた心不全治療が複数の医療施設で実施可能になる状況に至ったのである。

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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