2014年度日本再生医療学会
【基礎】奨励賞 microRNA-133はSnai1抑制及び線維芽細胞特性消去により心筋直接誘導を促進する
MicroRNA-133 Promotes Direct Cardiac Reprogramming by Snai1 Repression and Silencing Fibroblast Signatures
再生医療 Vol.13 No.4, 36-52, 2014
「はじめに」ある分化細胞から幹細胞の状態を経ることなく,別の分化細胞へと直接誘導する方法は目的の細胞種を作製する新規手法として,大きな可能性を秘めている。これまでに,細胞腫特異的な転写因子の過剰発現による繊維芽細胞からの神経細胞,心筋細胞,肝細胞,血液幹細胞,神経前駆細胞の直接誘導が報告されている1)-6)。元の細胞の特性を抑えることは細胞運命転換の特徴として認識されているが,その重要性やこの過程にある分子基盤はほとんどあきらかとなっていない7)8)。複数の心筋特異的転写因子の組み合わせ[Gata4/Mef2c/Tbx5(GMT),Gata4/Mef2c/Tbx5/Hand2(GHMT),Mef2c/Myocd/Tbx5]によりマウス線維芽細胞から心筋様細胞(induced cardiomyocyte-like cells;iCMs)が誘導されることが報告された1)9)10)。
「KEY WORDS」心筋細胞,microRNA,細胞直接誘導,Snai1,転写因子
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。