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特別企画

最先端義足技術開発の動向

Trends of Prosthetic Leg Technology

遠藤謙

再生医療 Vol.13 No.4, 18-20, 2014

「はじめに」現在,日本には366.3万人もの身体障害者が住んでおり,その中で4.9万人が下肢切断患者である1)。二足歩行が主な移動手段である人間にとって,足を失うことは大きな機動性を失うことと同等である。下肢を切断した患者は,生活環境や残存する運動機能から車椅子や松葉づえなどの福祉器具を使用することが多いが,その中で二足歩行が可能となる義足は,運動機能が比較的高い患者には最適な器具の一つである。近年では,コンピュータやバッテリーなどの電子機器やモータなどの機械部品の高性能・小型化が進み,人間の運動機能をアクティブに補完する技術が開発されつつある。さらには,パラリンピックの陸上短距離競技に使用される,通称板バネと呼ばれる競技用義足は,人間の運動機能の新たな可能性を示している。本稿では,これまで多くの人々に使われてきた義足を紹介し,近年の開発されつつある最先端の義足に触れ,最後には義足技術の今後の向うべき方向について述べる。

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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