Young Investigator's Award
【臨床応用】最優秀賞 ヒト臨床試験のための培養口腔粘膜上皮細胞シートの輸送技術開発
Cell transportation technique for clinical research using human oral mucosal epithelial cell sheets
掲載誌
再生医療
Vol.13 No.1 58-63,
2014
著者名
大家 義則
記事体裁
抄録
疾患領域
眼疾患
/
再生医療
診療科目
眼科
媒体
再生医療
「はじめに」再生医療は生体外で培養した細胞や組織を用いて患者の失われた機能を再建する医療であり, 今までの治療方法を根本的に変える革新的な治療として期待されている1). 現在までに再生医療分野では多くの基礎研究が行われており, 様々な分野で臨床応用する試みが医療法下の臨床研究として行われている. 我が国においてはヒト幹細胞を用いる再生医療分野での臨床研究を行う場合には「ヒト幹細胞を用いる臨床研究に関する指針」に則って行うこととなり, 厚生労働省のホームページによると2013年7月19日の段階で, 84課題が指針への適合性の承認を得ている. しかしながら, 現在までに適合性が承認された臨床研究の多くが単施設研究であり, 自家移植であれば組織採取, 細胞培養, 培養細胞移植といった一連のステップが同一施設内で行われてきている. 我々が取り組んできた培養口腔粘膜上皮細胞シートを用いた角膜上皮再生医療は, 既存治療法である角膜移植に比べて良好な治療成績を残しているが2), 現在まで行われてきた臨床研究では, 患者からの組織採取から培養細胞シート移植までのすべてのステップが, 同一施設内で行われてきた(図1a).
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。