THE COMMENTARY
細胞機能を発揮するための表面加工技術
掲載誌
再生医療
Vol.12 No.3 27-30,
2013
著者名
山本雅哉
記事体裁
抄録
疾患領域
循環器
/
呼吸器
/
腎臓
/
骨・関節
/
再生医療
診療科目
一般外科
/
循環器内科
/
心臓血管外科
/
脳神経外科
/
整形外科
/
腎臓内科
/
泌尿器科
媒体
再生医療
「はじめに」 細胞培養は, 細胞を用いた治療ならびに基礎研究の基盤技術である. 通常, 細胞培養では, 多くの細胞はポリスチレン製培養基材に接着し, 培養液から必要な生理活性物質, 栄養, 酸素などが供給される. しかしながら, この培養環境は生体内における細胞外環境とは大きく異なる. すなわち, 生体内において, 細胞は液性成分に加えて, 細胞-細胞外マトリックス相互作用, 細胞-細胞間相互作用, ならびに種々の力学刺激などからなる細胞外環境と接触している. この細胞外環境は, 生体内における細胞機能の調節に重要な役割を果たしている. 本稿では, この細胞外環境に近い培養環境を目指した新しい細胞培養技術に関する研究として, 培養基材に対する種々の表面加工技術について概説する. 「細胞と材料表面との相互作用」 播種された細胞は, 培養基材表面との相互作用を介して接着する. このような細胞と材料表面との相互作用は, 1980~90年代, 生体材料の界面適合性を理解するために盛んに研究された1).
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。