Johnson&Johnson Innovation Award
【応用・臨床研究】他家歯根膜細胞シート移植による歯周組織の再生
掲載誌
再生医療
Vol.12 No.1 64-67,
2013
著者名
岩田 隆紀
記事体裁
抄録
疾患領域
再生医療
/
その他
診療科目
その他
媒体
再生医療
「はじめに」本稿では日本再生医療学会が選定した2012年度Johnson & Johnson Innovation Award(応用・臨床研究)を受賞した研究計画について, その先行研究と受賞研究提案のあらましを紹介する. 「背景」歯周病は細菌感染による炎症性骨吸収を示す疾患であり, 一度破壊された組織は自然治癒が見込めず, 機能的・審美的な障害が生じる. 近年では歯周病と全身疾患の関連を示すデータが蓄積されつつあり, 歯周治療は全身状態の改善に寄与する可能性が高いこともわかってきているが, conventionalな治療法では術部の上皮が深行増殖し, “長い接合上皮(long junctional epithelium:LJE)”がしばしば形成される. このような弱い付着様式では適切なメインテナンス治療なしでは再発のリスクが高いことが示唆されている1). 歯周組織再生は歯周靱帯を伴う付着器官を再生することを目的とし, 単なる歯槽骨の再生を指すわけではない.
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。