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循環器領域における再生医療の現状と展望

Ⅱ.臨床 内皮前駆細胞を用いた血管再生治療

川本篤彦浅原孝之

再生医療 Vol.8 No.1, 61-66, 2009

「はじめに」血管内皮前駆細胞endothelial progenitor cell(EPC)とは, 未分化で分化能・増殖能に富み, かつその発生運命が血管内皮細胞系列にほぼ規定された細胞, つまり血管内皮へ分化し始めた細胞(血管の幹細胞)である. 1997年に成人の末梢血から初めてEPCが発見1)されて以来, EPCの生理的・病理的な体内動態, EPCの治療適用などに関する研究が進み, 今日ではEPCの臨床的重要性が深く認識されている. 成体における血管形成は, 炎症, 虚血, 損傷, 腫瘍形成などのさまざまな生理学的・病理学的現象の際に観察されるが, その機序として成熟血管内皮細胞の増殖・遊走による血管新生(angiogenesis)が従来から提唱され, 血管内皮成長因子, 線維芽細胞成長因子, 肝細胞成長因子など種々の血管新生因子が同定されてきた. しかし, EPCの成人末梢血からの発見以来, 成体における血管形成には, 血管新生のみならず, EPCの循環血から局所への生着および同部位での分化・増殖・遊走による血管発生(vasculogenesis)現象も貢献していることが明らかになった.

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