<< 一覧に戻る

循環器領域における再生医療の現状と展望

Ⅰ.基礎 血管形成における血液細胞の役割

髙倉伸幸

再生医療 Vol.8 No.1, 41-47, 2009

「血管の発生と血液細胞」血管の誕生を考えた際, それは動物の巨大化と密接に関係することは疑いのないことである. 小型の動物では, 体内にポンプの機能を持ち合わせる必要がなく, 拡散による環境因子の運搬で事足りた. しかし, 進化による身体の巨大化に伴い, 全身への環境因子の運搬が困難になると, 心臓様の構造物が現れ, ポンプ機能によって血流が生じるようになった. さらに組織の構造的維持のために組織間に細胞間質細胞が充満して, 組織内圧が高まってくると, それよりも内圧の高い管を形成して, 組織間圧との差を生じさせ, 透過性による管腔内から組織内への環境因子の運搬が営まれるようになった. この管が, 血管の始まりである. 最初の血管は, 組織の間隙にしか過ぎなかったが, 次第にマトリックス成分で管の内腔が包囲されるようになり, さらにこのマトリックスに細胞が裏打ちするようになる. そして, 血管内圧の変化による環境因子の組織間への物質の運搬をスムーズに行えるように, 血管内皮細胞が管の内側を裏打ちし, 組織内の酸素や養分の需要に応じて, この内皮細胞間の接着の離接着を介し, また内皮細胞そのものに有窓性をもたせるなどの工夫により, 組織内への物質運搬を効率良く行えるようになっていった.

記事本文はM-Review会員のみお読みいただけます。

メールアドレス

パスワード

M-Review会員にご登録いただくと、会員限定コンテンツの閲覧やメールマガジンなど様々な情報サービスをご利用いただけます。

新規会員登録

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

一覧に戻る