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特別記事

iPS細胞への期待 循環器領域から―心筋再生医療における現状と課題

齋藤充弘澤芳樹

再生医療 Vol.7 No.2, 105-106, 2008

「はじめに」マウス胚盤胞期の受精卵からES細胞が樹立されてから25年1), ヒトES細胞が樹立されてから8年2), 2006年にマウスiPS細胞が樹立され3), そして2007年のヒトiPS細胞の樹立に成功したニュースは世界中を駆け巡り4)5), 再生医療実現化に対する期待は大いに高まっている. 実際に, ヒトiPS細胞の樹立が報道され, 京都大学の山中教授らが報告した雑誌『Cell』のオンラインサイトで閲覧できる, iPS細胞から作製された心筋細胞が拍動している動画をみたときの衝撃は記憶に新しく, 再生医療の新たなブレイクスルーを目の当たりにした瞬間でもあった. 元来, ES細胞の作製と利用にあたっては, 2つの問題点が存在していた. 1つは作製にあたって初期胚を破壊することによる倫理的な問題である. さらにもう1つは, HLAの不一致による移植後の免疫拒絶の問題である. iPS細胞は生殖系細胞を用いず線維芽細胞, 上皮細胞などの体細胞を初期化するので, 自己細胞からiPS細胞を作製すれば倫理的, 免疫的問題を解決することができる.

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