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再生医療最前線

心筋再生医療の基盤的研究の概要と展望

田村雄一福田恵一

再生医療 Vol.7 No.1, 55-60, 2008

「はじめに」数年前まで内科治療に抵抗性の末期重症心不全や心筋症に対する治療法は心臓移植しかないとされ, 特に日本においてはドナーの絶対的な不足が大きな問題となっていた. しかし近年, LVADなどの機械的心臓補助装置が心不全患者の予後を改善する手段としてめざましい進歩を遂げているのとともに, 心筋再生医療も京都大学の山中らによるiPS細胞作製などを契機としてさらなる盛り上がりをみせている. そこで, 本稿では心筋再生医療の基盤的研究ともいえる心筋前駆細胞およびES/iPS細胞の心筋分化誘導に関して触れていきたい. 心筋前駆細胞 成体における心臓は永らくの間, 再生する能力をもたない臓器であるとされてきた. しかし2001年Orlicらにより, マウスの心筋梗塞周辺部に移植された骨髄造血幹細胞が心筋細胞や血管内皮細胞および血管平滑筋に分化して梗塞後の心筋を再生する1)こと, さらに骨髄幹細胞を末梢血に動員する作用をもつG-CSFやSCFを心筋梗塞モデルマウスに投与することで, 死亡率の減少および心機能の改善を認めることが報告された2).

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