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癌治療への再生医療の応用

培養複合口腔粘膜(EVPOME)の口腔癌治療への応用

芳澤享子泉健次飯田明彦鈴木一郎齊藤力高木律男寺師浩人横尾聡古森孝英津野宏彰古田勲

再生医療 Vol.6 No.2, 87-92, 2007

「はじめに」口腔癌の治療法は外科的療法, 放射線療法, 化学療法などがあげられ, 口腔領域で最も頻度の高い扁平上皮癌ではそれらを組み合わせた治療法を用いられることが多いが, 現在のところ, 治療法の中心となり, かつ最も確実性が高いと考えられる療法は外科的療法であろう1). 口腔癌の手術では周囲の健常組織を含めて腫瘍を切除することが望ましいが, その結果, 口腔の組織が大きく欠損し, 術後に機能障害や審美障害が引き起こされる. そのため, 腫瘍切除後の組織欠損に対しさまざまな再建材料や方法が用いられているが, それらは主に欠損部位と範囲によって選択され, その対象は大きく分けて, 口腔粘膜, 筋などの軟組織と歯, 歯槽骨, 顎骨などの硬組織とがある. 広範な切除症例では軟組織と硬組織を組み合わせた再建材料が選択されることが多いが, 初期の粘膜癌や前癌病変と位置づけられる口腔白板症の手術では, 切除範囲が口腔粘膜あるいはその下層にとどまることが多く, その創は浅く, かつ比較的広い欠損になることが多い. 従来このような口腔粘膜欠損創に対しては, 採取範囲や操作性という面で優れている遊離皮膚移植が用いられてきたが, 皮膚は口腔粘膜と性状が違うために術後の違和感や毛が生えるなどの問題がある. また遊離口腔粘膜移植は理想的ではあるものの, その採取部位と範囲に制限があり, さらに両者とも組織を採取するために新たに手術創を作らなければならないという欠点がある. 近年, 人工真皮などの人工材料も用いられるようになってきているが, 創の収縮や操作性に問題があると思われる.

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