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Ⅱ.再生と癌

前立腺癌幹細胞

―新しい分子標的を求めて―

井手久満

再生医療 Vol.5 No.2, 66-71, 2006

「はじめに」前立腺癌は, 食生活の欧米化や前立腺特異抗原(Prostate specific antigen:PSA)による早期診断の普及に伴い, 日本においてその発病率, 死亡率ともに著しい増加傾向にある. 治療としては, 一般的にホルモン療法と, 早期癌に対しては前立腺全摘除術や放射線療法が行われている. しかし, 前立腺癌は特徴的に骨硬化像を伴う骨転移を高率に引き起こし, 初診時にすでに転移を有している症例も少なくない. 骨転移を伴う進行癌に対してはホルモン療法が中心に行われている. しかし, その多くは治療の過程でホルモン療法不応性になり, 再燃する. 前立腺癌をはじめとして, 癌は往々にして再発し, 再発した癌はより悪性で, 転移などを有することが多い. こうした現象を説明するために, 近年, 癌幹細胞(Cancer Stem Cells)という概念が提唱されている1). 前立腺癌においても, アンドロゲンの増殖制御を受けていない未分化な前立腺癌幹細胞の存在と, ホルモン療法不応性機序の一つとして癌幹細胞の関与が疑われている. 近年, 進行性前立腺癌に対して, タキサン系抗癌剤を用いた化学療法の有用性が報告されている2).

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