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基礎

コロナウイルスの変異ウイルスについて

古澤夢梨山吉誠也

インフルエンザ Vol.23 No.3, 25-30, 2022

新型コロナウイルスSARS-CoV-2のパンデミックが宣言されてから2年以上が経過した.この間に多くのウイルス学的な知見が蓄積し,ワクチンをはじめとした予防法や治療法は大きな進歩を見せた.しかしながら,伝播性や病原性,抗原性が変化した変異ウイルスが次々と出現し,いまだ感染の収束は見通せない.2022年5月現在,伝播性の高いオミクロン株が感染の主流となっている.さらに,オミクロン株が新たなアミノ酸変異を獲得し,オミクロン株の亜系統や異なる系統のウイルスとの組換え変異体が出現しており,それらのウイルス学的性状を注視する必要がある.このような状況と,古くからヒトの間で蔓延しているかぜコロナウイルスに関する知見から,SARS-CoV-2は今後も変異を獲得し,その性状を変化させ,流行を続けていくことが予想される.
「KEY WORDS」新型コロナウイルス,SARS-CoV-2,COVID-19,変異ウイルス

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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