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基礎

COVID-19による血栓症について

保田晋助大庭聖也細矢匡

インフルエンザ Vol.22 No.3, 15-19, 2021

COVID-19関連血栓症はさまざまなサイズの動静脈が冒され,マクロサイズの血栓症から劇症型抗リン脂質抗体症候群(CAPS;catastrophic APS)に類似した多発動静脈血栓症,血栓性微小血管症(TMA)やDICに類似した微小血栓など幅広いスペクトラムをもつのが特徴である.その病態も複雑であり,SARS-CoV-2の血管内皮細胞への直接感染,肺胞での血管内皮への炎症波及,抗リン脂質抗体の出現や補体の活性化,傷害組織からの組織因子をはじめとした向血栓物質やDAMPsの放出,血小板や好中球の活性化などが同時進行すると考えられる.治療については抗凝固療法と抗炎症治療を併用することが肝要である.
「KEY WORDS」SARS-CoV-2,抗リン脂質抗体,内皮障害,サイトカインストーム

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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