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巻頭言

新型コロナウイルス感染症に対峙して学ばされたこと

大曲貴夫

インフルエンザ Vol.22 No.3, 5-6, 2021

新型コロナウイルス感染症に対峙して学んだことについて,今後の自分のために書き残しておきたい.
まず新興呼吸器感染症がどれだけ多くの方を感染させるのかを知った.社会に与える影響が甚大であることを知った.私にとってスペインインフルエンザの記録は,書籍などで読んでいたものの,その内容は他人事としてしか捉えることができなかった.現代ではこうはならない,という強烈な思い込みがあったことがその原因だと思っている.スペインインフルエンザのように,多くの方が命を失い,社会が混乱し次の国際問題の遠因となるという事態が,その100年後の現代でも本当に起こり得るということを,自分の生きている時代の事実で強烈に学ばされた.加えていえば,私たちの取った感染対策の多くがこの時代に行われたことと大きく変わらなかったことにも考えるところがあった.新興感染症への対応は,1世紀経ってもそうそう変わるものではない.

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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