2009年にパンデミックを引き起こしたA(H1N1)pdm09ウイルスは,2010年以降も季節性インフルエンザウイルスとしてヒトでの流行を繰り返している.出現後しばらくの間は,ウイルスの抗原性は変化しなかったが,この数年間でHA蛋白質の抗原性変化が頻繁に起こっている.また,最新の研究では,HA蛋白質だけでなくNA蛋白質の抗原性も変化していることが明らかになっている.ワクチンの有効性を確保するために,流行株の抗原性を継続して評価すること,そして抗原性変化への理解を深めることが非常に重要である.
「KEY WORDS」A(H1N1)pdm09ウイルス,抗原性変化,ヘマグルチニン蛋白質,ノイラミニダーゼ蛋白質