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臨床医家の研究

発熱を起点としたインフルエンザ発症後のイムノエース®Fluの感度

高崎好生進藤静生山下祐二清松由美横山隆人福田徹三柏木征三郎

インフルエンザ Vol.21 No.4, 43-53, 2020

2017/2018年シーズンに小児科5施設から提供された検体について,インフルエンザ迅速診断キット・イムノエース®Flu(株式会社タウンズ製)5分判定法による判定結果とRT-PCRで同定されたインフルエンザウイルスの結果を比較し,発熱を起点とした発症後の経過時間帯別の亜型・系統別の感度を検討した.さらに,ウイルス量の違いによる一致率の比較検討を行い,併せてイムノエース®Flu5分後判定が陰性であったがRT-PCRで陽性と同定された検体の検証を行った.
RT-PCRで同定されたインフルエンザウイルスはA/H1N1pdm,A/H3N2亜型,B/Yamagata系統で,それぞれに対するイムノエース®Fluの感度は88.9%,98.2%,90.4%であり,亜型および系統で予想以上の差がみられた.経過時間帯別の感度は,3時間未満から49時間以上までの時間区分で,亜型・系統間で差はあるものの高い値を示し,ウイルス量に対する感度も確認できた.型別ではB/Yamagata系統の感度が前シーズンに実施したB型の結果より低くなっていた.
迅速診断キットは発症から経過時間が短いと反応が出にくいといわれていたが1)2),今回の検討では3時間未満の検体でも92.0%の感度がありウイルスも十分量が確認された.イムノエース®Flu5分後判定では陰性でRT-PCRでは陽性であった検体が19例あり,そのうち6例が10分後判定では陽性となった.インフルエンザが強く疑われる例では10分後まで観察する必要性が示唆された.
今回検討したイムノエース®Fluの感度は高い水準を有していることが確認され,発症から3時間以内の検査でも臨床的に十分な診断能を有するものと思われる.
「KEY WORDS」インフルエンザ,迅速診断,イムノエース®Flu,発症後経過時間,ウイルス量

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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