H7N9鳥インフルエンザウイルスは,2013年に中国で最初のヒト感染例が報告されて以来,ほぼ毎年のように流行が発生し,これまでに1,568人が感染し,そのうち616人が亡くなりました1).中国政府は,H7N9鳥インフルエンザウイルス感染の防疫措置として,感染家禽の殺処分,ライブバードマーケットの定期的な閉鎖とその清掃および消毒の徹底,入荷される家禽の短期間での入れ替え,家禽の移動制限などの対策を行ってきました.それにもかかわらず,家禽類でのH7N9鳥インフルエンザウイルスの発生を効果的に抑えることは困難で,2017年9月までに5回もの流行が発生しました.そこで,中国政府は,2017年の秋より,中国全土でワクチン接種プログラム(全国高致病性禽流感免疫方案)2)を実施し,H5型とH7型のウイルスに対する不活化ワクチンを家禽および水禽類に接種しました.
「KEY WORDS」鳥インフルエンザ,H7N9,ワクチン,ライブバードマーケット,家禽