疫学(インフルエンザ)
バロキサビル マルボキシル耐性変異ウイルスの出現率
インフルエンザ Vol.20 No.4, 39-43, 2019
バロキサビル マルボキシルはインフルエンザウイルスのPA蛋白質の活性部位に結合し,キャップ依存性エンドヌクレアーゼ活性を阻害する.臨床試験では,薬剤投与によりPA蛋白質の38番目のアミノ酸(PA I38)に変異をもつ耐性変異ウイルスが検出された.抗インフルエンザ薬耐性株サーベイランスにより,A(H3N2)ウイルスにおける耐性変異の検出率はA(H1N1)pdm09およびB型ウイルスより高く,また未成年ならびに65歳以上の患者において耐性変異ウイルスの検出率が高いことが明らかになった.すでに耐性変異ウイルスのヒトからヒトへの感染伝播が報告されており,今後もサーベイランスの継続的な実施が重要である.
「KEY WORDS」インフルエンザ,バロキサビル,耐性
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。