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巻頭言

抗インフルエンザ薬の有用性と問題点

菅谷憲夫

インフルエンザ Vol.20 No.1, 5-6, 2019

A(H1N1)pdm09パンデミックを通じて,日本の死亡が驚異的に少なかったことは,世界でよく知られている1).その理由は,日本では,軽症のインフルエンザ患者の症状軽減のために,すべてのA(H1N1)pdm09外来患者に対して,早期にノイラミニダーゼ阻害薬治療を実施したことによる.それが結果的に,重症化を防止したからである.早期のオセルタミビル治療の入院防止効果(重症化防止効果)は証明されている2).一方,欧米では,一般に外来患者の抗インフルエンザ薬治療はせず,重症の入院患者に対して(多くは発症4~5日目),ノイラミニダーゼ阻害薬治療を実施して,結果的に,多くの患者が死亡した.ノイラミニダーゼ阻害薬に,発症48時間以降の重症患者治療効果は証明されていない.

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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