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地域のパンデミックプランニング

次の新型インフルエンザ発生に備える!!

─山梨県における取り組み─

井上修窪川佳世三河貴裕今井秀人隈部桂子古屋好美浅山光一田辺正樹

インフルエンザ Vol.19 No.2, 57-61, 2018

山梨県は県全体の総人口約83万の山里である.山梨県は東京都に隣接するため関東地方に分類されることが多いが,新宿から甲府までは約150km程度離れており,県境は山間地帯であるためJR特急あずさに乗っても1時間半程度を要する.南に接する静岡県までは約100km,現在建設が進められる中部横断自動車道が完成をみるまでの間は一般国道を利用して約2時間を要する.北に接するのは長野県で,山梨県と長野県を併せ甲信地方とも呼ばれる.長野県松本市へは中央自動車道,またはJR中央本線を利用して約1時間の旅となる.交通・物流はJR線や高速道によるところが大きく交通網が寸断された場合は容易に陸の孤島と化す地理的特徴を抱えている.山梨県の中心に位置する甲府盆地は四方を取り囲むように,南に富士山,西に南アルプス,北に八ヶ岳,東に大菩薩嶺といった山々が連なっている.人口が集中し都市化が進む甲府盆地の中心部分と,農業や観光業が盛んではあるが人口密度は低い甲府盆地周辺・山間部に分けられる.公共交通は都市バスが主であるが本数は少なく,JR中央本線,JR身延線,富士急行線などの鉄道も一部地域では利用できるが,大都市ほどの利便性を望むことはできない.そのため大多数の家庭では自家用車を複数台所有し日々の移動に用いる.このように周囲の都道府県から時間的距離が離れ,病院への通院に利用できる公共交通が限られている山梨県で,新型インフルエンザの流行に対してわれわれがどのようにして準備を行っているのか,現状と課題などをお伝えしたい.

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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