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巻頭言

インフルエンザワクチン研究のパラダイムシフト

長谷川秀樹

インフルエンザ Vol.18 No.2, 5-6, 2017

インフルエンザは毎年冬に流行を起こす急性呼吸器感染症である.ワクチン接種が最も効果的な予防方法ではあるが,流行株の抗原変異やワクチン抗原の製造法に起因する変異による流行ウイルス株とワクチン株のミスマッチによる効果の低下が懸念される.また現行の皮下接種によるワクチンは血中の中和抗体を誘導するが感染部位である上気道の粘膜上の分泌型IgA抗体は誘導しない.またワクチンの有効性の評価が主に接種者の血清を用いた赤血球凝集抑制試験(HI 試験法;Hemagglutination Inhibition Test)で行われている.インフルエンザウイルスの感染やワクチン接種によって誘導される抗体についての知見は,亜型を超えて中和に寄与する広域中和抗体(broad neutralizing antibody)の発見により近年大きく変わってきた.

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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