2009 年に発生した新型インフルエンザ(A/H1N1)への対応を振り返ってみると,ワクチン接種が最も大変であったと感じられる方も多いのではないかと思われる.次の新型インフルエンザ発生に備え,「新型インフルエンザ等対策特別措置法」(以下,「特措法」)が2013年4月に施行され,同年6月に具体的な対応方針を定めた「新型インフルエンザ等対策政府行動計画」(以下,「政府行動計画」)および「新型インフルエンザ等対策ガイドライン」(以下,「ガイドライン」)が策定された.新型インフルエンザを想定した新たな体制において,予防接種はどのように行われるのか,また,実施主体となる市町村では,どのような検討が行われているのだろうか?
本稿では,新型インフルエンザ発生時のワクチン接種体制の概要と厚生労働科学研究班(研究代表者:岡部信彦,分担研究者:田辺正樹)において実施された住民接種シミュレーション1)を中心に紹介する.
本稿では,新型インフルエンザ発生時のワクチン接種体制の概要と厚生労働科学研究班(研究代表者:岡部信彦,分担研究者:田辺正樹)において実施された住民接種シミュレーション1)を中心に紹介する.