巻頭言
感染症に対する備え:インフルエンザパンデミックはまたやってくるのか
掲載誌
インフルエンザ
Vol.17 No.3 5-6,
2016
著者名
岡部信彦
記事体裁
抄録
疾患領域
感染症
診療科目
その他
媒体
インフルエンザ
感染症に関して近年大きな話題となったものは,以下のように次々と挙げられる.2011年中国から報告されたSFTS.2012年に中東で発生したMERSは,2015年韓国内で流行が発生し,わが国もかなり身構えた.2013年中国東海岸を中心に発生し今も続いている鳥インフルエンザA/H7N9のヒト感染.2014年には西アフリカで「エボラウイルス感染症(エボラ出血熱)」が流行し,WHOは国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態宣言PHEICを行った.同年わが国ではデング熱の国内流行が発生.2014年にはジカ熱(ZIKV感染)がブラジルを中心とした中南米で流行し,2015年WHOはPHEICを宣言した.PHEICの初めての宣言は,2009年のいわゆる新型インフルエンザ(パンデックインフルエンザ2009)の世界的流行であったが,忘れられないのはパンデミック発生対策に備えるということの大きな引き金となったSARS(2003年)である.
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。