政策(インフルエンザ)
医療経済学的視点から見た感染症対策
インフルエンザ Vol.17 No.2, 51-55, 2016
感染症対策にはscientificな側面とemotionalな側面が存在し,前者のみならず後者の要素が影響し,結果として,科学的な観点からは過剰ともいえる対応がとられることがある.仮に,それにより感染症の蔓延を未然に防止できるとしても,あらゆる政策の選択にはコストがともなうため,特定政策への過度な資源投入は,有限な資源の非効率な分配を招く.医療経済学は,ともすれば見逃されがちな社会的コストに光をあて,政策の妥当性を評価する視点を与えてくれる.医療経済学の基本的な考え方を紹介しつつ,その観点から改めて感染症対策を考えてみたい.
「KEY WORDS」医療経済,市場の失敗,外部経済,不確実性,費用対効果分析
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