治療(インフルエンザ)
薬剤耐性インフルエンザウイルス治療の考え方
インフルエンザ Vol.17 No.2, 29-34, 2016
H275Y変異A(H1N1)pdm09ウイルスに対するノイラミニダーゼ阻害薬(NAI)の効果報告はほとんどない.2013/2014シーズン,地域内で伝播したこの変異ウイルス感染児10例と野生ウイルス感染児18例の経過を比較できた.発熱からみた重症度は変わらなかった.オセルタミビルあるいはペラミビルを投与した変異ウイルス感染児は速やかに解熱した.幼児や肺炎例など吸入治療が困難な場合がある.経口あるいは経静脈的に投与するNAIが,耐性ウイルスに対して治療効果を期待できるとすれば,臨床的な有用性は高い.ほかにNAI耐性ウイルスの基本事項,H275Y変異A(H1N1)ソ連型ウイルス,展望についても述べた.
「KEY WORDS」インフルエンザ,H275Y変異,A(H1N1)pdm09ウイルス,オセルタミビル,ペラミビル
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