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巻頭言

予防接種からみえる日本人の特性

奥野良信

インフルエンザ Vol.17 No.2, 5-6, 2016

筆者は長年にわたり,大阪大学医学部小児科や大阪府医師会予防接種センターにおいて予防接種に携わってきた.接種希望者は,アレルギー疾患があるなどの理由でほかの医療機関から紹介された小児が多かった.それ以外で多かったのは,海外への長期赴任や留学のため,現地で必要とされるワクチンの接種を希望する人々であった.一度に3種類や4種類のワクチンを接種することも常であった.まれに外国人も来たが,その中の1人の発言が筆者にとっては衝撃的だった.ヨーロッパから来日した人で,熱帯地域に行くので何種類ものワクチンを希望した.数が多いので副反応について説明したところ,「心配は要りません.すべて自分の責任で接種するものですから」と今まで聞いたことのない言葉を発した.日本人の場合には,接種医の言われるままの受身的な態度で接種されるのが普通であったので,自己責任で接種してほしいと言ったのには驚かされた.

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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