治療(インフルエンザ)
呼吸器内科医からみたインフルエンザの治療
インフルエンザ Vol.17 No.1, 29-34, 2016
インフルエンザでは重症の下気道感染,インフルエンザ肺炎を発症することがあり,原発性肺炎(ARDS)と二次性細菌性肺炎に大別される.両者はしばしば合併する.治療は抗インフルエンザ薬による通常治療±抗菌薬が基本である.呼吸不全ではECMOまで検討する.薬剤の増量や抗炎症療法(ステロイドなど)については推奨されておらず,適応は慎重に判断する.インフルエンザ感染による呼吸器基礎疾患の増悪の治療も,抗インフルエンザ薬による通常治療が基本である.基礎疾患に対するステロイド治療は通常通り行う.インフルエンザの診断は困難なこともあり,治療や感染対策が遅れることがある.呼吸器科医は診断努力を惜しんではいけない.
「KEY WORDS」原発性インフルエンザ肺炎,ARDS,二次性細菌性肺炎,ステロイド,急性間質性肺炎
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